■2015年5月29日追記
PHA-3とHF Playerが認識しなくなった時の対処法を記事最下段に追記しました。
2月6日オンキヨーが配信しているハイレゾ/DSD対応プレイヤーアプリ Android版「
Onkyo HF Player」がアップデートされ正式版としてリリースされました。
※
iOS版(iPhone用)も配信されています。
今回のアップデートにより、世界初となるリアルタイムDSD変換再生機能が追加され、僅か1000円という課金でハイレゾ対応端末にでき、更にMP3.AACといった圧縮された音源や非圧縮のFLACまでもがDSDにアップサンプリング再生されるという凄い機能を搭載しています。

手持ちの端末はXPERIA Z3、そしてソニー最高のハイレゾイヤホンXBA-Z5と最高アンプPHA-3を使用して試しました。
オーディオに詳しい訳じゃないので音質レビューはソコソコにし、XPERIA独自の音機能やUSB接続認識の仕組みといった、機能が共存してしまわないかといった仕様的な部分を中心に記載しています。
無料版と有料版の違い
Android版は無料アプリを先に入れて、その後に有料販売されている1000円のアンロック版を購入し制限解除する仕組みなので、アプリは無料と有料2つのアイコンが共存する形になっています。
(有名なミュージックアプリPowerAmpと同じ販売形式)
但し、無料版は本当にタダの平凡なプレイヤーで、ハイレゾ音源を再生しても48kHzに制限されるので普通の圧縮音源並に音質低下します。
なので、実質1000円の有料アプリと思って購入することが前提ですが、数年前の端末がハイレゾ・DSDにアプリ側で対応してくれることを考えれば安いものです。
設定
まず初回起動すると、ヘッドホン選択画面が表示されますが、いずれもオンキヨー製イヤホンですので他社メーカーを使っている場合は「ohter」にチェックを入れて進みます。

初期設定では端末内全ての音楽・動画ファイルを見つけてしまうので、「音楽フォルダ」から自分が音楽ファイルを入れているフォルダだけを指定します。
有料版を購入するとUSBオーディオ項目が解放され、目玉機能であるリアルタイムDSD変換を使えるように出来ます。

「アップサンプリング」は常にONにしておき音質向上させましょう。
「リアルタイムDSD変換」も最高の常にDSD5.6MHz高精度にして最高の状態にします。
バッテリー消費が大きくあると記載がありますが、XPERIA Z3だと数%しか減らないので最新~1年前ぐらいの端末だと気にしなくて良さそうです。
しかしこの機能は
CPU 2GHz 4コア以上が必須スペックとなっていますので、古い端末では使用できません。
※Snapdragon 800(MSM8974)からが4コア+2GHzのCPUになるので、
2013年夏モデル端末ぐらいからがこのCPUとなります。
一つ前の世代Snapdragon 600は4コアでも、1.7GHzとなるので使えない可能性があります。
XPERIAの音機能との切り替え仕様
実際に慣らして音で判断し、こうなっていると私が解釈したもので公式仕様では無いので、不明な点はオンキヨー側に問い合わせてください。
【端末単体での使用】設定の再生項目 オーディオ出力の切り替えが「携帯電話」に指定されます。
(Onkyo USB HF Driverのチェックは入りっぱなしでも大丈夫)

まずDSDリアルタイム変換はUSB DACを使用することが前提なので、端末スピーカーや単体イヤホンでの使用では使えない機能。
アップサンプリング機能はPCMと表示されているのでこのことでしょうか。
ハイレゾ楽曲はFLAC、圧縮音源はAACまたはMP3と表示され、PCMとして再生されるようです。
サンプリング周波数の数字が表示されていないので、本当に音質が良くなっているのかは今ひとつわかりません。
そしてXPERIAの音機能についてですが、端末スピーカー再生だと機能が対応していることがハッキリとわかりました。
再生時にClearAudio+やダイナミックノーマライザのチェックをON/OFFすると明らかに変化しているので、これは間違いありません。
(逆に考えるとこのアプリのアップサンプリングの効果がわかりにくいとも言える)
アプリ側のイコライザーもあり、左下にある「EQ」マークをタッチすると切り替わり、OFF状態だと「DIRECT」になります。
もしかするとアプリ側のイコライザーとXPERIA側の音機能両方共反応している可能性もあるので、使用する場合はどちらかの機能をOFFにして再生したほうがいいのかもしれません。
とりあえずXPERIAの優秀な音機能が使えることがわかっていますので、WALKMANの代わりにプレイヤーアプリ代わりに使うこともできますので、ハイレゾを持っていない人は無料版で良さそうです。
(ARROWSシリーズだと専用のミュージックプレイヤーが無いので尚更いいかも)
※アルバム内ジャケット仕様はWALKMAN同様、個別対応されておらず全て同じジャケットで表示されていまいますが、再生時ジャケット部分をタッチすると埋め込んだ歌詞を表示させることに対応していました。
【PHA-3を接続した再生】XPERIA Z3+PHA-3+XBA-Z5を接続した組み合わせですが、結論からいうと
アプリ内で音源はDSDに変換され、その変換された音源をPHA-3の性能を使って再生されている(と思われます)
なので、どちらかの機能が犠牲になってしまうことはありませんでした。
上:アップサンプリングのみON、下:DSD変換もON


AAC320Kbpsの音声で再生した所
アップサンプリングのみONの場合
44.1KHz→176KHz(PCM)
にアップサンプリングされ、アンプ側も「Hi-Fs」にランプが点灯しハイレゾ相当の音質になっていることが、見た目でもハッキリわかるので説得力があります。
リアルタイムDSD機能もONにした場合
44.1KHz→5.6MHz(DSD)
アンプ側は更に「DSD」にもランプが点灯し、ハイレゾより更に凄い音質であるDSDで再生されていることがわかりました。
上:アップサンプリングのみON、下:DSD変換もON


続いてmoraで購入したハイレゾ音源を再生した場合でも
96KHz→192KHz(PCM) 96KHz→5.6MHz(DSD)
ハイレゾでも更に音質向上されるようです。
PHA-3にはDSEE HXというハイレゾ相当に変換する同じような機能が搭載されているのですが、試しにスイッチをON/OFFしてみましたが、音質に変化は無かったのでアプリ側の機能が使われている時は自動的にOFFになり共存しない仕様となっています。
PHA-3をWALKMAN/HF Playerで切り替える際の注意
PHA-3をXPERIA標準のWALKMANとHF Playerどちらで認識させるかは「USBオーディオ」機能のチェックで判断しているようで、特にHF Player→WALKMANに切り替える場合は、手順を守らないと音が再生されないので手順をまとめます。

1:端末とPHA-3を接続しアンプの電源を入れる
2:HF Playerを起動し設定で「Onkyo USB Driverの有効」にチェックを入れる
※「このUSB機器に標準で使用する」にチェックを入れてしまうと、XPERIA側のアンプ設定が反応せず解除の仕方がわからなく可能性もあるのでチェックはしません。
この手順で同じく設定にあるオーディオ出力の切り替えが「USBオーディオ」に変わってれば正常に接続できています。
なおXPERIA側の「ハイレゾオーディオ(USB)」やその他音機能のチェックは入れたままでも大丈夫。
基本的にアンプの電源を切り、アプリを全て終了させてから切り替えると正常にアプリ間の切り替えはできますが、電源を切らずに行うと正常に切り替えができないので、特にHF Player→WALKMANに切り替えて使用する場合は必ずアンプの電源を1回切ってから行うと正常に再生されます。
HF Player側の「Onkyo USB Driverの有効」>XPERIA側の「ハイレゾオーディオ(USB)」
という優先順位になっているようです。
1000円以上の価値はあるので音楽に拘るなら購入すべき
XPERIAには優秀な音機能が搭載されており、PHA-3も所有しているので正直な所、WALKMANと比較しても音質の違いはハッキリとわかりません。
ただ一つ言えることは、どちらも最高峰の音質だということ。
一番メリットのある人は、ハイレゾ対応していないiPhoneやAndroid端末を持っている人が、買い替えること無くアプリインストールだけで楽しめることにあり、1000円というコストは破格。
リアルタイムDSD変換機能の追加が色んなニュースサイトで大体的に報道されて、誰でもこの機能が使えると思いがちになりますが、この機能は別途ポータブルアンプを持っている人が対象のようなので、その辺りがオーディオに詳しくない人には少しわかりづらいのではと感じてしまいました。
突然PHA-3が認識せず音が出なくなった
特に弄った所は無いのですが、ある日HF PlayerがPHA-3を認識しなくなり音がイヤホンから出なくなった事がありました。
<現象>
・HF Playerを開いた後、XPERIA Z3とPHA-3を接続し電源を入れるとUSBDAC云々のいつものメッセージが表示されONにする。
→しかし、曲を再生するもイヤホン・端末スピーカーからも音が出ない
(PHA-3のHi-Fsランプ等は点灯しているので接続自体は有効だが認識がおかしくなっている?)
→続けてWalkmanアプリで曲を再生してみると端末スピーカーから再生されるので、この時の接続状況はやっぱりHF PlayerとPHA-3で認識していると思われる
<対処法>
・再生できない状況のまま、PHA-3の電源が入ったままの状態(再生は停止しておく)でINPUTスイッチを一旦別の場所に切り替えた後、また左端XPERIA用の位置まで戻す。
→すると、USBDAC云々メッセージがまた表示されOKすると、今度は「USBドライバを初期化してます」というメッセージが一瞬表示されたが、再生してみると正常にイヤホンから音が出て元通りに戻った。
根本的な解決法では無く、あれこれ試していた中で治っていたのでやや曖昧ですが、とりあえず治すことができました。
PCのドライバと同じように壊れるような事があるのかも。
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